超一等地南青山に児童相談所を建設する予定で、一部住民からの反対の声があまりにもヒドイと連日Twitterや報道で取り上げられています。
反対意見の多くは、港区南青山のブランド、価値、品位が落ちる。
児相に通う子どもが南青山で過ごす幸せな家族の様子を見てどう思うかしら?
など、超高級一等地「南青山」を上等なもの、「児童相談所」が下等なものという認識が強く、それがどうしても織り交ざらないようです。
中でも20日の報道番組「グッディ!」(フジテレビ系)は、ある3児の母親の発言を大きく取り上げました。
内容は、
「意識の高い公立のA小学校は、みんな塾などの習い事をたくさんしていてレベルが高い。児相の子どもたちがA小学校に入るとなった際、金銭的にギリギリだったりすると、ついてこれないし、とても辛い思いをするのではないか?」
これを聞いて、ちょっと待って!どんな小学校なの!?と思いませんか?
社会的弱者を守ろうとしないで、南青山のブランド価値が云々言ってる一部の人がもし父兄であるならば、確かにそんな小学校に入ったら辛い思いをするよね。
と思い、その小学校の実態をまとめてみました。
港区立A小学校事情とは
先の発言に出たあるA小学校。この母親はここに通わせたくて億を投資して自宅を南青山に設けたそうです。
それまでして子どもを通わせたい魅力は何なのでしょう?
A小学校のブランド
明治39年開校、創立112年の伝統校
出身著名人に岡本太郎、仲代達也、北杜夫氏
官僚や経営者、著名人などの富裕層の子どもが多く通う
女性
将来に役立つような人脈をつくることができる
男性
日銀の社宅があるため、日銀に勤める親御さんも多数いた
三大名門公立小学校の一つ
およそ95%が私立中学へ進学
女性
とても教育熱心な進学校で、勉強に大きく役立ちました。親子と学校の連携もしっかりとしていました。
港区教育委員会によると、
「特別なことはしていない、他の公立小学校と違う突出したカリキュラムはない」
と言及しています。
うーん。どうなんでしょうね。次に決定的な証言があるのですが、、、
A小学校の実態
塾通い前提の授業進行
女性
ほぼ全員が塾に通っているため、3年生ぐらいから勉強が塾に行っている前提で進む。塾に行っていないうちの子は全然わからなくなった。
これに関しては尾木ママこと、教育評論家尾木直樹氏は
「原則としてあり得ない。できない子どもを引き上げることが公立小学校の役割ですから、それがされているということは、親たちがそういうプレッシャーをかけているのではないか?」
と言及しています。
誕生会・ママ友会の会費が高い!!
お誕生会はホテル・レストランの貸し切りパーティー
出張マジシャンが登場
昼間からシャンパンを開けるスケールのママ友ランチ会
一部の子どもの会話がえげつない!!
車なに乗ってるの?
お寿司一貫いくらの食べてる?
ラルフローレンを着ていったら、「ラルフ持ってんだ。でもラルフなんて10枚くらい持ってないと意味ないよね」と言われた。
ここにあげたのは、A小学校に通うごく一部の児童の事例ですが、このセリフは子どもが自然発生的に言えるものではないのは明らかですよね。
人の価値を車や高級なお寿司を食べられるステータスでしか判断できない大人に教え込まれたある種の”教育”ですね。
まとめ
今回は港区のA小学校を取り上げましたが、問題はA小学校ではないのです。
A小学校のごく一部の親子の問題。
そのごく一部のために南青山の児童相談所を利用する子どもが辛い思いをするから反対?
だったら、そのごく一部を、小学校側に水準以上の教育を求めすぎる親を見直してみてはいかがだろうか?
よりによって、A小学校は公立。
様々なレベルの子どもたちがいて当たり前ではなかろうか。
番組のコーナー最後では、いくら恵まれない環境で育ってきても、”教育”がたった一つの抜け出せる道。それすら排除しようとする考えはとても危険だと仰っていました。
「児童相談所の子どもがここに来たらもっと可哀想」と言ってしまう想像力、人間力の乏しさに逆に可哀想と思ってしまいます。
と同時に、港区民の多数はこの建設に賛成とのことですので、多くの評論家のお話にあるように、港区民は弱者を守ろうと決意した人々として、南青山のブランドはもちろん、土地の価値は下がるどころか上がり続けるのではないでしょうか。